●こんなんアリ!?インチキ修理、ビックリ故障図鑑

第3弾 サイドケースの洞窟
 またまた例のF8Aです。めでたくレギュラー化です。
 
 こちらはカムシャフトを受けるオイルシールつきのサイドケースカバー。エンジン前端部に位置し、通常はタイミングベルトカバーで隠れていますので目にすることはありません。画像は左側が後期用、右側が件の前期用で、「S」マーク入りの素敵な物なのですが・・・様子がオカシイです。下側真ん中のボルト穴付近に注目。今回のクランケのものは黒い穴があいています。通常は左のようにモッコリがあるのですが、割れています。さて、何故でしょう?ここにはノックピンが収まる事になっています。恐らくは
ノックピンがきちんと入っていないのに無理矢理叩き込んだのが原因です。ヘッド側に何か詰まっていたのでしょうか、それともピンが斜めに入っていたのでしょうか。それに気付かず、「入らないナァ〜」とか言いながら叩き込んだのでしょう。ガスケットが周囲を覆っているし、ピンも入っているのでとりあえずオイル漏れはしないでしょうが・・・前作業者は気付いていなかったと思います。部品がすんなり収まらないときは、一度外してシッカリ確認する事は非常に大切な事です。
 
第2弾 ヘッドボルトの恐怖
 
こちらも前出のF8Aエンジンです。

 F8Aエンジンは初期型と後期型でシリンダーブロックが別モノですのでヘッドボルトが異なります
。後期型では10×87(ネジ部27mm)を10本使用してヘッドを固定していますが、初期型では10×87(ネジ部24mm)を2本と、10×80を8本使用しなければなりません(事実確認済み)。ところがドッコイ、このエンジンから出てきたのは10×95(ネジ部30mm)が2本・・・・・・ォィ。長すぎます。画像の下2本がそれですが、明らかにオカシイですよね。見え難いですが先端のスレッドは当然ギタギタに痛んでいます。ワッシャーが反り返ってしまっていることから結構なトルクでギュウギュウ締めたのでしょう。あまりにも酷いです。信じられません。これが、整備士さんの仕事だとしたら・・・・・・
F8Aエンジン SJ20-102095までは シリンダー11200-73002 ヘッドボルト 06103-10012 ×8 09103-10013 ×2
         SJ20-102096からは シリンダー11200-73003
 
ヘッドボルト 09103-10018 ×10 です。 補修により前期モデルにこのシリンダを使う際もこの組み合わせです。

第1弾 プーリーの怪
 高速道路上でブローしたF8Aエンジンです。元々部品取り車として購入したSJ20-1型のもの。
 
 
一番最初に発覚したのはタイミングベルト交換の時でした。ナンとタイミングベルトプーリーのボルトをタガネで叩いた痕が。それも相当大胆です。これによりキー溝も変形。ウォーターポンプを交換しようとしたところ、ファンベルトプーリーが固着していました。プーラーで抜いた後、クランクプーリーを抜きにかかりますが・・・固着。こちらはどのようなプーラーを用いても抜けず、その日は交換を断念して元に戻しました。シャフト面の清不足、ウッドラフキーの入れ方がマズイ様子。初期型のF8Aはギアプーラーをかけるネジ穴がありませんので、苦労します。どうやら以前の交換の際に相当ウデの悪い整備士か、素人が作業したようです。それにしても・・・私なら工具買いに行きます。疑問点が多く残る作業でした。ウオーターポンプも交換できないし・・。

 ブロー後、ブロックを生かすべくエンジンを分解しました。やはり如何なる方法をとっても抜けません。クランクを外したいのですが・・・仕方ないのでタイミングベルトカバーを切断し、隙間からウオーターポンプとオイルポンプのボルトを抜いてから、オイルポンプをノックピン分だけ前にズラしてポンプごとクランクシャフトを摘出しました。クランクは使い物にならないので、良かったといえば良かったのですが、オイルポンプは永遠にクランクと一緒に過ごす事でしょう。合掌。